ヒロナリさんのモケーな日々

ミリタリー系のプラモ、フィギュア、ディオラマの製作過程を紹介します。写真をクリックすると大きな画像が見られます。

不定期連載ノスタルジックプラモデル 58

Category: ノスタルジックプラモデル  
タミヤ 1/35 ドイツ88mm砲Flak36/37

「おやすめんせ」の公演も終わり、もう3週間以上たちます。
本来なら、模型製作に戻っていなければいけないところなのですが、ここのところ仕事がとても忙しく、
帰ってきてもぐったり寝込んでしまい、ぜんぜん模型に手を付けていません。
ただ、ありがたいことにこの忙しさは公演終了後だったので、公演に影響はありませんでした。
忙しさのピークが1週間ずれてたら、土曜日の本番は綱渡り、最悪、穴を開けてたかもしれません。
そんなわけで、今日は久しぶりにノスタルジックプラモデルでお付き合いを。

ドイツ88ミリ砲。
もう40年も前に発売されたキットなのに、いまだにミリタリーミニチュアシリーズの中でも
ベストキットに推すモデラーがいっぱいいるという伝説の傑作キットです。
当時1000円もしましたが、6年生のヒロナリ君も買いました。

箱からしてすごいぞ。
普通の戦車キットより一回り大きく、88mmGunFlak36/37というでっかいロゴの下に
大西将美氏描く迫力満点のボックスアート。
しびれましたねえ。
メカニカルな大砲と、躍動感あふれるドイツ砲兵たちのコントラスト。
やはり絵の中心にいる指揮官が一番カッコいいですね。
ヒロナリ君は、その奥にいるハンドルを握っている丸メガネの砲兵も好きでした。
画面手前のものは陰影がクッキリと描かれているのに対して、画面奥に行くにしたがって
影が黒ではなくブルー系で描かれていて、自然な遠近感が感じられるのにヒロナリ君は目を見張りました。
「空気遠近法」という言葉は当時は知りませんでしたが、その効果と魅力は、
ヒロナリ君の心に深く刻み付けられました。

ふたを開けると青っぽいグレーのぎっしりのパーツ。
それも細かなパーツばかり。
明らかにそれまでの戦車キットとは趣が違います。
組み立て説明書も分厚く、ちゃんと作れるだろうかと少々腰が引けました。

組み立ての最初の工程は、オマケについているツェンダップオートバイからでした。
説明書によれば、このキットは細かいパーツがたくさんあるので、オートバイの組み立てから始めて、
細かいパーツに慣れましょうとありました。
そんな配慮があるあたり、タミヤはやっぱりユーザーフレンドリーですね。
たしか、小さなピンセットも付属していたと思います。

本体の組み立てに入ると、小さなパーツの連続なので、よく説明書を見て、パーツの形や向きを
しっかり確認して作業しなければなりません。
また、砲身の後座、俯仰、旋回、脚の折り畳みなど可動部分が多く、接着剤をつけすぎないよう
気をつけないと、せっかくの可動部分が動かなくなってしまいます。
しんどかったのは、移動用の台車でした。
ほぼ同じような形のものを2台作らねばなりません。
1台でもかなり面倒なのに、もう1台あると思うと少しげっそりしました。

それでも、どうにか形になりました。
あれ?案外小さいな。
というのが出来上がった印象でした。
箱の大きさや、パーツの多さから考えると、もっと大きなものになりそうな気がしていたのですが、
思ったほど大きくありませんでした。
しかし、逆に見れば、あれだけの量のパーツがこの大きさに収斂しているので、
その密度感、精密感はものすごいものがありました。

そして、もしかしたらこちらのほうが主役かもしれない9体の人形たち。
いやあすごいなあ、9体も人形が付いてるなんて。
それまでのMMシリーズの戦車キットでは、戦車兵1体に歩兵が4体付属というのが
標準的なパターンでしたが、88ミリ砲には砲兵8体、オートバイの伝令が1体という大盤振る舞い。
というか、それだけいないと砲が運用できないんですね。

で、その人形たちがみんな明確な役割を持っているんですね。
砲を操作する者、ケースから砲弾を取り出す者、信管調定する者、砲弾を装填する者、
そして、それらを指揮する班長。
全員がそれぞれの役割に応じた動きのあるポーズを取っているので、
作ることによって射撃のプロセスが自然に理解できました。

砲を中心にその周りに人形たちを配置すれば、机の上はたちまち砲兵陣地です。
想像力が膨らみ、ドイツ語の号令や耳をつんざく発砲音が聞こえるようでした。

しかしながら、そんなふうに遊んだのは、ただの1回だけでした。
砲の移動状態を再現するには、砲座と台車のパーツを引っ掛け、裏からビスで固定するのですが、
一度ビスで固定してしまうと、はずすのがなんだか億劫になってしまい、ついそのままになってしまいました。
こうしてヒロナリ君の88ミリ砲は、二度と陣地展開することも無く、机の上で埃をかぶっていきました。

ただ、砲兵たちには第二の任務が与えられました。
砲弾を抱えているポーズが気に入って、砲弾の代わりにライフルを持たせ、歩兵に改造したのです。
改造といっても、ポーズはそのまま、ただライフルを持たせただけですが、
けっこうカッコよくて気に入ってました。
また、袖をまくりあげた腕が力強くてカッコよかったので、腕に体毛を描き込んでみました。
レッドブラウンをほんの少し筆につけて、紙であらかた拭い取り、腕に軽くこすりつけると、
けっこう西洋人の毛むくじゃらな腕のようになりました。

それにしても、一人だけ役割の分からない人形がいました。
バズーカ砲のような物を両手で顔の前にささげ持ってる彼です。
あれはバズーカ砲ではなくて、目標までの距離を測る器具であることを知るのは、
何年も後のことでした。


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「おやすめんせ」千秋楽! 2

Category: 演劇  
前回の続きです。

高機動車の停車位置が奥過ぎて、困ってしまったヒロナリさん。
さて、どうするか。

とにかく少しでも車体後部を客席に向けるため、あらかじめハンドルを左に切っておいて、
動き出したらすぐ車体を左に振って、ローホリに当たらない位置で
改めてハンドルを切るという方法で対処することにしました。

この高機動車、本物のオートマチック車のシフトレバーが取り付けてあって、
リバースに入れるとバックライトが点灯します。
そのため、バックで登場するときは、忘れずにレバーをリバースに入れなければなりません。

さて、動かすときがやってきました。
スタッフが車体を押し出すのと同時にヘッドライトのスイッチを入れ、
レバーをリバースに入れます。
すかさずハンドルをにぎって車体をコントロールしようとしたのですが、
キュキュキュキュッといやな音がして、右前輪がローホリをこすっています。
どひゃーーーーッ!!やっぱりダメ!!
ぜんぜんハンドル切れません。
大失敗です。

本当はもっと客席側に停めなければならないのですが、思いっきり舞台奥に停車してしまいました。
ただ、このシーンでは舞台奥に停車しても、芝居の進行には特に差し支えはありません。
問題は、一度引っ込めて次に出すとき、所定の位置に停めるのが難しくなったことです。

暗澹たる気持ちになりながらも、それを観客に悟られないよう平静を装って、
芝居を続けます。

このシーンが終わり、今度はクニさんの運転で、高機動車は舞台袖に戻ってきましたが、
おじさんが停めた位置が悪かったため、戻ってきた位置も修正できませんでした。
うわあ、ラストシーンで所定の位置に停めるのは、絶望的だあああ。

異変を察知して、音響席にいた演出の清よしひこが舞台袖にやってきました。
停車位置を確認して、さっきおじさんがやった方法で出すしかないなと、
結論しました。
救いなのは、次に出すときの暗転は長くなっても問題ないので、
うまく出なくてもやり直す時間が少しあるということです。

このことに振り回されて、次の自分の出番を忘れそうになっていました。
あぶない、あぶない。

千佳を引き取ることにためらいを持っている叔母に、
生き残ったものが幸せに暮らしていくことこそが、
亡くなった人たちから託された使命なんだと、野々村一曹は言います。
「失いしは多くあれど、残りしも多くあり」と、
テニスンの詩の一節を引用しますが、実はここ、おじさんが考えたセリフなんです。
おじさんが大好きな「女王陛下のユリシーズ号」という小説の冒頭に掲げられた詩なのです。
この言葉は、この芝居のテーマにうまく当てはまっていると思い、
千佳の叔父のセリフとして考えました。
演出の手によって、野々村のセリフに書き換えられましたが、
なるほど、そのほうが自然かもしれません。

そして叔母は、野々村の言葉や、被災地に咲いた桜に勇気づけられ、
千佳と暮らすことを決意し、千佳もそれを受け入れ、涙で抱き合います。
このとき、客席で涙を拭いている女性が何人かいるのが舞台上から見えて、
そのことにおじさんもちょっと感動してしまいました。

さあ、最後のシーン、自衛隊への感謝式典です。
今度は佐藤がハンドルを握り、バックで高機動車を出します。
前のシーンが終わり、暗転になったところでゴー!
しかし、無情にもタイヤはローホリに接触し、ガンッ!と音を立てて、
車は止まってしまいました。
あちゃー、やっぱダメだった!
すかさず一度前進させ、もう一度バック。
またもガンッ!
くそお、もう一度。
みたびガンッ!
ああっ、このまま車が出せないと、ラストシーンが成立しないっ!
トラブルが起きていることは客席にもバレバレだ。
5回目くらいで、ようやくバックさせることに成功しました。
急いで車の脇に整列します。
本来なら、自衛官3人が並んだところで照明が入るのですが、
あまりに暗転が長引きすぎたので、おじさん一人並んだところで、
照明が入り、あとの二人は後れてやってきておじさんの隣に並びました。
ああ、カッコ悪る。
それでもどうにか、芝居を続けることができそうです。

千佳と佐藤の別れです。
それを見守る叔父夫婦。
ところが、いるはずの叔母の姿がありません。
叔父役の成瀬君に
「奥さん、どうしたんですか?」
と、小声で聞くと、
「さあ、さっきまでいたんですが。」
という答えが返ってきました。
振り向くと、叔母役の愛ちゃんは、高機動車の後ろにいました。
おそらく、接触したとき、脱出するのを手伝いに来て、
そのままそこにいることにしたのでしょう。

ホイッスルが鳴り、自衛官たちは高機動車に乗り込み、被災地を後にします。
このとき、ついに千佳の心を縛っていた何かが外れ、千佳は大声で叫びます。
「おにいちゃん、ありがとう!」
その言葉に佐藤は、ガッツポーズで応えます。

そして、高機動車は舞台袖にハケるのですが、
またローホリにぶつかるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
幸い、スムーズに退場できてほっとしました。

最後、エピローグ。
翌春、中学生になった千佳が自転車で現れ、遠くの空に
ふと両親の声を聞いたような気がして立ち止まり、つぶやくように冥福を祈ります。
「お父さん、お母さん、おやすめんせ。」

アクシデントもありましたが、こうしてどうにか幕を下ろすことができました。
この公演レポートは文章のみですが、劇団の公式サイトでは写真がふんだんに掲載されています。
興味のある方は、こちらもご覧ください。

http://oyasumense.blog.fc2.com/

スタッフ、キャストの皆さん、お疲れ様でした。
会場に足をお運びくださった皆様、本当にありがとうございました。

ところでさ、演出。
設定では千佳は10歳ってことだけど、翌春中学生って、おかしかないかい?
いまさら、遅いけど。(笑)



テーマ : 演劇    ジャンル : 学問・文化・芸術

「おやすめんせ」千秋楽! 1

Category: 演劇  
先日、1月29日「おやすめんせ」の最後の舞台がありました。
キャスト、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

9時に会場に入り、前日の反省を踏まえ、午前中は高機動車の出し入れの練習を行いました。

高機動車は、最初舞台上手(客席から見て右側)に隠れていて、
オープニングの後登場し、犠牲者のご遺体を収容して、下手袖に退場します。
その後、3回バックで舞台中央に出てきて、最後に下手に去ります。
これだけの動きをしなければならないのですが、舞台袖は狭く、
車両左右の空きはそれぞれ30センチほどしか無いので、所定の位置に停車させるのは大変です。
前進させるときは人の力でロープを引っ張り、バックのときはエイヤッと手で押し出します。
ブレーキも装備してますが、タイヤに直接ブレーキパッド代わりの木片を押し当てるという
原始的な機構なので、とても効きが悪く、思った位置に停められません。
所定の位置に停められないと、バックするときタイヤが照明機材に当たってしまい
ハンドルが切れず、決められた場所に出て行けません。
その上、登退場は暗転中の暗い中で行うのでさらに難しさが増します。

初日、やはり思った位置に停められず、ラストシーンでライトの輪からずれてしまい、
役者に光が当たりませんでした。
そのため、念入りに出し入れの練習を行いました。
この練習中、おじさんは右足をタイヤに轢かれてしまいました。(笑)

その後、お昼休憩を挟んで、着替え、メイクを済ませます。
劇中、野戦糧食を食べるシーンがあるので、その準備もしておきます。
本物の自衛隊の野戦糧食を調達しました。
パック詰めのご飯にレトルトのおかずをかけるという物です。
練習中試食しましたが、とてもうまかったです。

さあ、いよいよ始まります。
一番緊張する瞬間です。
緞帳が下りている舞台の上、キャスト8人全員が所定の位置に立ち、
荘厳な音楽とともに緞帳が上がっていきます。
音楽が途切れると同時に、全員が一斉に、
「3月11日、それは突然、私たちの日常に姿を現した!」
と叫び、そのまま立て続けに被災者の夫婦、自衛官、ボランティアの大学生の順に
それぞれの目線のセリフを間髪入れずに言い放ち、音楽とともに舞台左右に散っていきます。
最後に残った主人公の少女千佳と、若い自衛官佐藤士長が視線を交わしクロスするように、
左右に別れ、そこへ高機動車がヘッドライトを灯して登場します。
毛布にくるまれた子供のご遺体をかかえた自衛官が現れ、高機動車に収容し走り去ります。
後に残された佐藤士長は心身ともに疲れ果て、ヘリコプターの爆音が高鳴る中、
その場にへたり込みます。

ここまでの一連、音楽と照明、高機動車の動きなどのタイミングを
うまく合わせながら演じなければなりません。
ここをミス無く切り抜けられると、ホッとします。

その後は、音を上げている佐藤を、おじさん演じる野々村一曹が諭す場面です。
ぶっきらぼうに突き放した言い方の中にやさしさが隠れているといった感じを
心がけて演じました。
ここで野戦糧食を食べるのですが、舞台上でものを食べるのって難しいです。
口に入れるタイミングを間違えると、口に食べ物が残ったまましゃべらなければなりません。
今回も歯の間に残ったご飯粒を気にしながら、顔はあくまでまじめなままで
頼れる陸曹を演じました。

次のシーンは避難所。
ここで千佳と叔父夫婦が登場し、ボランティア学生の会話を通じて、三人の関係と、
千佳が震災以来誰とも口をきかなくなった事が語られます。

続いて、近所の高台。
高機動車がバックで登場し、降りてきた佐藤が千佳と出会います。
問題がおきたのは、この後!
佐藤の運転で(といってもハンドルを操作するだけで、動かすのは袖からロープで引っ張るのですが)
舞台袖に戻ってくるのですが、ああっ!停車位置が奥過ぎる!
舞台一番奥の床にはロアホリゾントライトが設置されていますが、
このローホリとタイヤの隙間が5センチくらいしか無いじゃないですか!
次におじさんの運転でバックで登場させねばならないのですが、
これではハンドルを切る余地がありません。
特にここではハンドルを左に切って、車体後部を客席に向けることになっているのに、
このままハンドルを切ると、確実にローホリに接触してしまいます。
さあ、困ったぞ、どうするオレ!!
続きは次回更新で。


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プロフィール

bravo-1

Author:bravo-1
60年生まれ。小学生の頃からの
戦車模型ファン。
でも完成品は、年に2~3点。
建築模型の事務所を開業しました。
よろしくお願いします。

建築模型オフィスブラボーワン
http://bravo-1.wix.com/home

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