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ヒロナリさんのモケーな日々

ミリタリー系のプラモ、フィギュア、ディオラマの製作過程を紹介します。写真をクリックすると大きな画像が見られます。

不定期連載ノスタルジックプラモデル 47

Category: ノスタルジックプラモデル  
タミヤ 1/6 ダックスホンダST70

60年代から70年代にかけて、日本にもヒッピームーブメントが
押し寄せてきました。
彼らの主張は、既成の価値観を否定し、愛と平和を訴え、
自然に回帰しようというものでした。
当時の日本は高度経済成長の真っ只中でしたが、その歪として、
公害や交通事故の増加、受験戦争の激化などが
問題になっていました。
彼らヒッピーの思想は、そんな物質文明至上主義に対する
アンチテーゼだったように思います。
小学生だったヒロナリ君はヒッピーについて詳しい事は
よく分かりませんでしたが、なんとなく
「そんなシャカリキになんないで、もっとゆとりを持って
人間らしく生きていこうよ」
というようなメッセージを発してるように感じられ、
勝手に共感していました。

69年にデビューしたホンダのレジャーバイク、ダックスホンダは、
ヒロナリ君の中で、なぜかヒッピーと結びついていました。
いえ、ヒッピー達がこのバイクに乗ってる映像を
見たわけではありません。
小さなタイヤに胴長なフレーム、それこそダックスフントを思わせる
ユーモラスなスタイルは、それまでのバイクにはない
まったく新しいものでした。
この小さなバイクにまたがって、気ままに自由に走り回る
ライフスタイル、それこそがヒッピーの生き方のように
思われたのです。

大人になったらダックスホンダに乗りたいなとヒロナリ君は思い、
お小遣いを貯めて、タミヤのダックスホンダを買いました。

ダックスホンダ
この写真のキットは当時のものではなく、20歳頃に、もう一度
作りたくなって買い込み、いまだに作ってないものです。(笑)

いやあ、久しぶりに見ると、箱が小さい!
なんせ1000円以上するゴージャスなキットだったので、
もっと大きな箱だったような気がしたのですが、
1/35の戦車キットと箱の大きさは変わりません。
フタを開けて、さらにびっくり!
パーツが少ない!
あの頃は膨大なパーツがあったような気がしたのですが、
実際はこんなものだったんですね。
ドラゴンの戦車キットの半分以下です。

それにしても、惚れ惚れするような箱絵です。
一瞬、写真かと思うほどのリアルさ。
特にエンジンからマフラーにかけての金属表現が素晴らしい。
こんなイラストが描けたらなあと思います。
また、縦書きのロゴのレイアウトもかっこよく、本当にタミヤの
デザインワークは、いつまで経ってもまったく古びませんね。

キットの内容も本当に素晴らしいものでした。
ボディのパーツは、金属の粉末を混ぜたプラスチックで
成型されていて、さらにランナーごとクリア塗装されているので、
塗装する必要がありません。
そのまま組むだけで、メタリックカラーの美しいボディが出来ます。

ピカピカのクロームメッキと、つや消しのアルミメッキのパーツは、
これまた下手に塗装するより、金属の質感があります。
もうパーツ状態で実物っぽいので、エンジンシリンダーの一部を
黒く塗って、ボルトの頭をシルバーで塗るくらいで、
ほとんど塗装しなくても、美しく完成させられます。

また、タイヤのリアルなこと!
トレッドパターンはもちろんのこと、ブリジストンのロゴや、
タイヤサイズ、JISマーク、MADE IN JAPAN などの、
細かな細かな文字までモールドされていて、実物のタイヤを
そのまま縮小したかのようです。

リアルなのは外観だけではありません。
実物と同じようにあちこちが動きます。
サスペンションは前後とも、スプリングを組み込んで可動しますし、
やはりスプリングの力で、スタンドはたため、
ブレーキペダルも動きます。
シートを持ち上げれば、ガソリンタンクやバッテリーが
納まっています。
実車はフロントフォークを取り外しハンドルをたたむと、
車のトランクに載せてドライブ先で組み立てて、
気軽に乗り回すことが出来ますが、もちろんそれも再現されてます。
こういう楽しみ方が、80年代に大ヒットしたシティとコンビで
発売された、モトコンポに受け継がれているのでした。

2色刷りの説明書は、パーツの接着部分が青で示されていて
分かりやすく、ブレーキやアクセルのコードをカットするための
目盛りまで印刷されていて、とてもユーザーフレンドリーです。

説明書完成写真
特に完成写真は、まるで本物、とても模型とは思えません。
どこまでも実物に忠実、まさに大人のホビーです。

塗装ガイドのはじめに、こんなことが書いてありました。

塗料は各部品の色を変えるために塗るのではありません。
各部品を塗装することで、その部品の持つ形や働きを
ひきたたせるのです。

この一文は、小学生のヒロナリ君に塗装をする意味と意義を
教えてくれたのでした。

大人になったヒロナリ君は、ダックスホンダに乗ったのかって?
いいえ、免許を取って初めて買ったバイクは、同じホンダでも
ダックスではなく、なぜかぜんぜん設計思想の違うMB5でした。
これはこれでとても素敵なバイクで、模型も作りましたが、
それはまたいつか、ここで紹介いたします。

おじさんはダックスホンダを見ると、いつも頭の中に
ダークダックスが歌うテレビのCMソングが甦ります。

♪ダックスホンダ ダックスホンダ
 ダックス ダックス ダックスホンダ
 アイアムダックス 私ダックス
 ティッティポ ティッティポ
 ティッティポ ティッティポ ヘイ ヘヘイ
 ティッティポ ダックスホンダー
 ダックスホンダ ダックスホンダ
 ダックス ダックス ダックスホンダ
 とても素敵なダックスホンダー

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プロフィール

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Author:bravo-1
60年生まれ。小学生の頃からの
戦車模型ファン。
でも完成品は、年に2~3点。
建築模型の事務所を開業しました。
よろしくお願いします。

建築模型オフィスブラボーワン
http://bravo-1.wix.com/home

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