ヒロナリさんのモケーな日々

ミリタリー系のプラモ、フィギュア、ディオラマの製作過程を紹介します。写真をクリックすると大きな画像が見られます。

不定期連載ノスタルジックプラモデル 57

Category: ノスタルジックプラモデル  
ハセガワ 1/450 イギリス戦艦ヴァンガード

なんだか最近、ノスタルジックプラモデルを書きたくてしかたありません。
信号所は置いといて、今回も昔話にお付き合いを。

戦艦ヴァンガード。
ぜんぜん知りませんでした。
当時も今も。
小学6年生のヒロナリ君は、大和や武蔵は知ってても、ヴァンガードなんて
聞いたこともありませんでした。
いつ作られ、どこで戦ったのか、現在に至るまで知らなかったので、ネットで調べてみました。

1941年に起工したものの、建造が遅れ、就役したのは戦争が終わった1946年。
一度も実戦を経験しないまま、1959年に退役。
平和的で良かったといえば良かったのですが、戦艦としてはちょっとトホホな艦歴です。
どうりで知らん訳だわい。

聞いたこともない軍艦であっても、大きな箱に描かれたボックスアートに惹かれて、
ヒロナリ君はお小遣いをはたいたのでした。
当時、1000円以上したでしょうね。
ちょっとした買い物です。

ふたを開けると、かなり大きな船体パーツが目を惹きます。
喫水線から下が初めから赤で塗装されていたのが、年少者には親切でした。
(上級モデラーにはよけいなお世話ですが)
パーツはかなり大雑把で、子供だったヒロナリ君から見ても、
そのディテール表現は物足りないものがありました。

このキット、しばらく前に再販されたようで、模型店で見かけ、
懐かしくて手にとってみました。
パーツの少なさにびっくり!
恐ろしく大味なキットです。
今はさすがに買う気にはなれませんねえ。

小学生のヒロナリ君は買ってきてさっそく作り始めると、母親が、
「せっかく高いプラモデルを買ったんだから、いっぺんに作らずゆっくり作りなさい。」
と言いました。
ところが、パーツが少ないこともあって、夜遅くまでかかりましたが、
ヒロナリ君はその日のうちに完成させてしまい、母親に叱られたのでした。
パーツをランナーから切り離し、接着していくという作業が楽しく、
つい夢中になってしまうんですね。

しかしながら、精密さに欠けるのは如何ともし難く、特に艦橋が致命的でした。
まったくディテールの無いレゴブロックのようなパーツを積み上げるだけで、
日本の戦艦の艦橋のような複雑な造形美には、程遠いものがあります。

箱絵を見ると、艦橋には窓がありますが、キットのパーツはのっぺらぼうです。
そこでヒロナリ君は、黒の塗料で窓を描き込むことにしました。
しかし、マスキングなどという概念はまだ無いので、当然フリーハンドです。
四角い小さな窓を、下書きもしないできれいに一列に描こうてっんですから、
そりゃ無理があります。
大きさはまちまち、列はグダグダ、やらなきゃ良かったと、泣きそうになりました。(笑)

そんな情けない模型でしたが、同じ英国軍艦ということで、当時読んだ
「女王陛下のユリシーズ号」とだぶって、けっこう親しみを覚えます。

あなた知ってます?「女王陛下のユリシーズ号」。
「ナヴァロンの要塞」や「荒鷲の要塞」の原作者、アリステア・マクリーンの
処女作にして最高傑作。
おじさん、これまでに読んだ小説の中でベストオブベスト、最も好きな小説です。

どんなに面白かった小説でも、そう何度も読み返すものではありません。
多くてせいぜい3回程度です。
しかし、この「女王陛下のユリシーズ号」は、おじさん、これまでの人生で
もう10数回以上読み返しています。
これほど惹き付けられる小説には、この先巡り合うことは無いだろうと思っています。
こんな素晴らしい小説を弱冠小学6年生のときに読んだことは、おじさんの小さな誇りです。

この本は、大垣のデパートの本売り場で、祖母に買ってもらいました。
当時、少年サンデーで、この本を原作にした「女王陛下のユリシーズ」というマンガが
連載されていて、本棚に同じタイトルを見つけ、迷わず買ってもらったのでした。

女王陛下のユリシーズ号

ハヤカワノヴェルズというシリーズの中の1冊で、当時の定価は500円でした。
現在はハヤカワ文庫から987円で出ております。

大戦中、ドイツと戦うソ連に向けて、連合国は武器弾薬を積んだ船団を送った。
いわゆる援ソ船団である。
巡洋艦ユリシーズは、何ヶ月も休みなく船団の護衛任務に就き、
乗組員は疲労困憊の極にあり、一部で反乱騒ぎが起きるほど、不満が高まっていた。
しかし今また、新しい船団FR77を率いて、ユリシーズは荒れ狂う北極海へ出撃する。
人智を超える猛烈なシケに見舞われ、大自然の力に翻弄される船団。
さらに襲いかかるUボートとスツーカ。
恐怖と不眠と疲労の果てで、ユリシーズの男たちが見せる勇気と誇り。
北極海を舞台とした、雪と鉄と血で書かれた勇壮な一大叙事詩。

いやいや、たまりません。
ただ、この小説、小学生にはちょっと荷が重すぎました。
ページを開くと2段組の細かな活字がびっしり。
子供向けの小説は、ところどころに挿絵が入っているものですが、
これはあくまで大人の小説、どこまで行っても、延々と活字が続きます。
またイギリス英語独特の持って回った言い回しが多く、
理解するのに時間がかかりました。
それでも、分からないところは分からないなりに読み進めていくと、
胸を打つシーンがいくつも展開していきます。

船団を救うため、魚雷員ラルストンが、父親が乗る炎上する輸送船を撃沈する場面など、
涙が止まりませんでした。
浸水を止めるため、みずからを犠牲にしてハッチを内側から閉じる
大男の機関員ピーターセン。
敵機の機関砲弾を浴び、絶命しながらも対空機銃を撃ち続けたクライスラー。

忘れられない人たちが、他にもいっぱいいます。
船団指令ジョン・ティンドル少将、ユリシーズ艦長リチャード・ヴァレリー大佐、
副長ビル・ターナー中佐、先任将校キャリントン中佐、
軍医長ソクラテス老ことブルックス中佐、機関長ダドソン中佐、
航海長カポックキッドことアンドルー・カーペンター大尉、
信号長ベントリー、ジョニー・ニコルス軍医大尉、ジョンソン看護兵、
イサートン少佐、カースレイク中尉、マーシャル魚雷科大尉、
ウィンスロップ従軍牧師、ボードン大尉、従兵スパイサー、
操機員ライリー、ブラウン、マクエイター、A・B・フェリー、などなど。

ここに挙げた名前は本で確認したわけでなく、すべて頭の中に記憶しています。
ひとつの小説に出てくる登場人物の名前をこんなに憶えているのは、
「女王陛下のユリシーズ号」だけです。
どんなにお気に入りの小説でも、登場人物の名前を憶えているのは
主人公と他2~3人ってトコですから、いかに何回も読み返したかってことです。

この小説を読むなら、冬をお勧めします。
できれば部屋の暖房は切って、毛布にくるまって読んでください。
北極海の極寒の世界の話なので、暑い夏に読んでも実感がわきません。
おじさんも、冬になると読み返したくなります。

スポンサーサイト

Comments


« »

10 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

bravo-1

Author:bravo-1
60年生まれ。小学生の頃からの
戦車模型ファン。
でも完成品は、年に2~3点。
建築模型の事務所を開業しました。
よろしくお願いします。

建築模型オフィスブラボーワン
http://bravo-1.wix.com/home

自動RSS表示機能付きリンク
リンク上にマウスを乗せると、リンク先の最新記事とサムネイル画像を表示した吹き出しが出現します。 そのままクリックすると、リンク先に飛びます。
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
ブログ内検索
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード