今回は白模型です岐阜市の設計事務所D社様より、白模型のご依頼をいただきました。
白模型とは、その名の通り外も中も真っ白な模型です。
素材感を表現しないぶん、建物のフォルムや間取りが純粋によく分かります。

まずは展示台から作ります。
お見積りの段階では1/50でしたが、この建物は普通より大きいので、
ご注文の時点で1/75に変更になりました。
このことによって全体がA3サイズに納まり、バランスがよくなりました。
5ミリのスチレンボードでパーツを切り出しますが、スチレンボードはすでに反っているので、
内部に矯正のための補強を入れます。

今回は敷地のすぐ外側に水路があるので、それも再現しておきます。

で、今回厄介なのが、敷地がGL(グランドライン・地盤面)より50センチかさ上げしてあり、
インナーガレージやアプローチがスロープになっていることです。
しかもスロープは場所によって角度が微妙に違うので、
それをきちんと再現するのにかなり手間取りました。
図面上のどの地点がGLプラス何センチになっているか正しく理解していないと、
立体にした時つじつまが合わなくなり、壁を立てられなくなってしまいます。
作業開始からここまで作るのに、まる2日かかってしまいました。

展示台が出来たら、外壁を作ります。
1/75でプリントアウトした図面をスプレーのり55でスチレンボードに仮止めして、
壁ごとにカッターで慎重に切り出し、図面をはがします。
窓は塩ビ板にマスキングテープを貼り、窓枠を切り取り、
白のスプレーで塗装します。
壁を立ててからでは窓を接着しにくいので、この時点で窓は接着してしまいます。

今回面倒なのが、この小さな窓です。
1/75サイズで6ミリ角の小さな窓を、いくつも作らねばなりません。

とりあえず1階外壁が出来ました。
ここまでは立面図があるので図面のライン通りに切り出せばよいのですが、
内壁は図面が無いので、自分で図面から寸法を拾って作らねばなりません。

壁を立てる時はいつもそうしているのですが、どこか一か所壁を2面立てて、
水平垂直の基準としています。
この最初の2面をどこに持ってくるかが考えどころで、後の作業を頭の中でシュミレーションして
最も合理的な位置を探し出します。

その基準面をもとに、内壁を現物合わせで立てていきます。

これはトイレです。
簡単なものですが便器も作っておきます。

げ!
大変なことに気が付きました。
開口部を一つ開け忘れてましたああ!
接着した壁をいまさら外すのは無理なので、この状態で開口するしかありません。
まず、シャーペンで開口ラインを壁の両面に描き込みます。
展示台ごと立てて、ほかの部分を壊さないよう気を付けながら、
慎重にカッターを入れます。

はああ、どうにかうまくカットできました。
人間のやることですから見落としもあります。
それをどうリカバーするかも技術のうちです。

これは階段。
手すりは窓と同じように、塩ビ板にスプレー塗装しています。

植栽は基本的に最後に行いますが、壁に囲まれたアプローチ内のものは、
後からではやりにくいので、壁を立てる前に接着してしまいます。

ハイ、1階が完成しました。
ここまで来ると全体像が見えてきて一安心です。
では、次回は2階の制作です。
スポンサーサイト